戦争と人々の暮らし~残された公文書と戦時資料~
開催期間 | 平成28年7月20日(水)~9月25日(日) |
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場 所 | 福岡共同公文書館 1階展示室 |
関連イベント |
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講演会「戦時下の働く女性と子どもたちの暮らし」 日時:平成28年7月31日(日)14:00~15:30 講師:昭和館 学芸部学芸課資料係 吉葉 愛 氏 |
内容
平成28年7月20日(水)から9月25日(日)まで、平成28年度第1回企画展「戦争と人々の暮らし~残された公文書と戦時資料~」を開催しました。
当館が所蔵する資料の中から、戦時中の社会情勢や人々の生活に関する記録を紹介するとともに、防空頭巾や小学校教科書などを展示し、当時の女性や子どもたちの暮らしを振り返りました。
本展示では、久留米市教育委員会、大牟田市立三池カルタ・歴史資料館、福岡県から、資料の提供やご教示など多大なご協力を賜りました。誠にありがとうございました。
告諭・非常時局に処する心得(昭和12年(1937))
昭和12年玉川村庶務書類綴(大牟田市)
資料番号:1-2-0012557
盧溝橋事件の勃発直後に作成されたもので、全11項目にわたって戦時下における県民の心構えを示しています。
漢字のルビには、難解と思われる用語を平易な和語に直した部分があり、老若男女さまざまな階層への普及・宣伝を図った姿勢が見えます。
国民精神総動員運動資料(昭和12~13年(1937~1938))
昭和12年玉川村庶務書類綴(大牟田市)
資料番号:1-2-0012557
国民精神総動員運動は、国民が戦争に協力する体制を築くために、近衛文麿内閣によって実施された官製国民運動です。
「挙国一致・尽忠報国・堅忍持久」といったスローガンが掲げられました。
飯塚市事務報告(兵事係部分)(昭和11年(1936))
昭和12年市参事会事蹟(飯塚市)
資料番号:1-2-0014526
兵事課(係)は、明治から昭和20年までに全国の府県や市町村役場に置かれ、兵事行政を担当した部署です。
徴兵検査や召集令状の交付、出征兵士の慰問、武運長久祈願祭や戦死病没軍人に対する招魂祭の実施、国防思想の普及、防空演習などといった兵事に関する膨大な業務を担っており、戦争と銃後の国民をつなぐ役割を果たしました。
味噌醤油配給統制に関する件(昭和17年(1942))
姫治村例規綴(食糧)(うきは市)
資料番号:1-2-0010489
味噌・醤油の配給統制は、昭和17年2月から実施されました。
実施前の買いあさりなどを防ぐため、文書に「秘」印が押されています。
演芸慰問・奉仕活動の申し込み(昭和18年(1943))
昭和18年度事蹟(飯塚市)
資料番号:1-2-0017280
戦時下の日本では、国民に対して出征兵士を支える銃後の役割が求められたため、演芸慰問の奉仕活動や献納米の提供など、様々な支援活動が実施されました。
昭和20年度戦没者恩典事蹟(飯塚市)
資料番号:1-2-0017086
護国神社遥拝式並御下賜品伝達の件(昭和20年(1945))ほか
戦没者遺児たちに、天皇皇后両陛下からお菓子や記念品が下賜される式典が、昭和18年まで靖国神社で行われました。福岡県では、昭和19年から福岡市の護国神社で行われていましたが、昭和20年になると、戦局悪化のため各市町村で行われることとなりました。
軍人援護会総裁からの言葉は、「皆も必ず敵米英を撃滅する意気に燃え」、「お父さんの志を継ぎ、先輩の後に続いて、充分に御奉公出来るよう努めてほしい」というものでした。
『婦人俱楽部』
【久留米市教育委員会所蔵】
大正9年(1920年)創刊の講談社の女性向け雑誌です。(昭和63年(1988)に休刊)
昭和18年から19年にかけて、号が進むにつれ表紙の女性たちの服装や表情、掲げられたコピーが当時の社会情勢を反映して変化しています。
用紙も粗悪なものに変わり、ページ数が減少するなどの変化も見て取れます。
戦時中のカルタ
【大牟田市立三池カルタ・歴史資料館所蔵】
カルタは、子どもが楽しみながら文字やことわざなどを覚えるための遊びですが、戦時中のカルタは、「銃後」、「翼賛」、「愛国」などのタイトルが付けられ、前線の兵隊を支える理想の「少国民」となるための教材として作られたものでした。