福岡共同公文書館は、福岡県と県内全市町村(政令市を除く)が共同で設置・運営する公文書館です。

文字サイズ

福岡共同公文書館

HOME展示・講座案内 > 過去のイベント情報

過去のイベント情報

過去のイベント情報

特集「福岡県の水害 ~昭和28年の水害~」

開催期間 令和4年6月14日(火)から令和4年10月20日(木)まで
場 所 福岡共同公文書館 1階展示室

内容

【Web展示】
特集「福岡県の水害 ~昭和28年の水害~」


福岡県では、近年、毎年のように大雨災害に見舞われています。福岡県の水害の記録は古くは平安時代にさかのぼるようです。そこから幾度も水害は繰り返され、改修工事が行われてきました。今回の特集展示では、「昭和28年の水害」の際の行政の対応を公文書で見ていきます。

 昭和28(1953)年6月25日から6月29日にかけて、九州地方北部(福岡県・佐賀県・熊本県・大分県)を中心に梅雨前線を原因とする集中豪雨による水害が発生しました。この集中豪雨は、平野部、山間部の別を問わず大きな被害を与え、福岡市をはじめ門司市・小倉市(北九州市)、久留米市など県内の主要都市にも多大な被害を与えています。
 また九州随一の大河である筑後川水系をはじめ遠賀川水系、矢部川水系など、九州北部の河川は大小問わずすべて氾濫し、堤防決壊や橋梁・道路流失などを招き、これ以前より営々と行われてきた治水事業は水泡に帰すことになりました。
 
 ※画像はクリックで拡大できます。



災害発生前の福岡県の取り組み


 こちらは昭和26年に作成された「福岡県総合開発計画書(計画の部)」(福岡県公文書:1-1-0006579)です。
 総合開発建設事業として、河川改修工事の実施が盛り込まれています。
 






災害の発生と初期対応


  昭和28年6月は、4日から7日にかけて梅雨前線と台風に起因する豪雨により、災害が発生していました。
 ▼「六月四日~七日豪雨による災害対策要望事項」(福岡県公文書:1-1-0039304)



 この対応の最中、さらに、6月25日から29日に水害が発生しました。
 各自治体は、被害状況の把握と被害者への対応を始めます。
 下の資料では、村民から小石原村長宛の豪雨被害に関する被害報告がなされています。
 ▼「被害陳情受付簿」(東峰村公文書:1-2-0015519)





被害状況の把握と要望書作成


 県は、被害状況を取りまとめます。
 ▼左:「六月二五日からの豪雨による災害被害額概況 第1~4号」(7月3日、7月6日、7月9日、7月28日)
   (福岡県公文書:1-1-0006539)
 ▼右:「六月下旬豪雨による被害額調書」(7月4日)農政部・農地部作成(福岡県公文書:1-1-0007362)
 

 取りまとめた被害状況をもとに、県は国に対して、財政援助や交通・衛生・食料等に関する要望書を作成します。
 また、補助金や国庫負担金等に関する立法の特例を中心とする単独法の制定の要望も行いました。
 ▼左:「六月二十五日来の豪雨災害に伴う財政援助要望書(昭和28年6月30日)」(福岡県公文書:1-1-0006606)
 ▼右:「六月二十五日以降豪雨災害対策要望事項」(福岡県公文書:1-1-0006618)
 
▼「西日本災害対策特例法制定に関する要望書(昭和28年7月4日)」(福岡県公文書:1-1-0006679)





対策・対応


 大雨災害への対応を行った警察活動や被害対策協議会などの事跡です。

 こちらの資料には、昭和28年7月30日にとりまとめた福岡警察管区本部の昭和28年6月25日来の大雨による九州地方災害(西日本水害)の警察活動概況に関する記録が記されています。
 ▼「昭和二十八年七月三十日 六月二十五日来の大雨による九州地方災害の警察活動概況」
  (福岡県公文書:1-1-0006880)
 

 こちらの朝倉市(大福村)の事跡は、水害見舞芳名簿です。
 ▼「昭和二十八年度 水害見舞芳名簿 大福村役場」(朝倉市公文書:1-2-0025894)
 

 田川市の水害事跡には、罹災証明の取り扱いについて記載されています。
 ▼「水害事蹟(昭和二八年六月)」(田川市公文書:1-2-0043200)
 

 9月15日現在の特別措置法施行令(案)による指定(適用)地域の調査報告が、県の公文書に記録されています。
 ▼「昭和28年6月及び7月の水害による特別措置法施行令(案)による指定(適用)地域調」
  (福岡県公文書:1-1-0006515)
 




報告書作成


 県は、災害状況や経済状況等をまとめ、報告しています。
 ▼左:「今次災害及び最近の財政経済事情」(9月3日作成)(福岡県公文書:1-1-0006603)
 ▼右:「昭和28年6月末豪雨毎時雨量分布図」(昭和29年1月作成)(福岡県公文書:1-1-0007693)
 

 ▼「北部九州災害総合調査報告書」(昭和29年3月作成)(福岡県公文書:1-1-0006907)
 




功労者表彰



 こちらは朝倉市の昭和28年度豪雨災害における人命救助に関する表彰の事跡です。
 ▼「昭和28年6月 人命救助関係綴 大福村役場」(朝倉市公文書:1-2-0025886)
 

 遠賀町の公文書には、昭和28年6月大水害に関する被害状況調査報告や事務処理について記されており、その中には、功績のあった団体へ福岡県知事から感謝状が贈呈されたことも記載されています。
 ▼「昭和28年6月大水害に関する事蹟」(遠賀町公文書:1-2-0005382)
 




記録の編さん


 昭和28年度豪雨災害の大福村水害誌編纂に関する事跡です。
 こちらの資料の一文に、「『天災は忘れさられた頃再来する」とか。茲に当時の実情を回想蒐集し之を実録として後世に傳え併せて此の種不測事態発生時の指針とするため次の如き計画により大福村水害史を編纂する」とあります。大水害を記録することにより、後世への啓発としようとしていたことが読み取れます。
 ▼「昭和28年6月 大福村水害誌編纂関係事蹟 大福村役場」(朝倉市公文書:1-2-0025892)
 

 ▼「昭和28年八女郡水害誌」(八女市公文書:1-2-0001405)
 
 ▼「県政時報 ふくおか 災害特集号」(行政資料:2-1-0024531)





その後


 国は、水害が続発することで日本経済の復興に影響を及ぼすことを懸念し、河川総合開発事業を行うことになります。さらに、治水・利水を同時に行える多目的ダムの建設と河川改修を行うことになりました。

常設展示資料
 特集展で展示している昭和28年水害の資料のほかに、常設展示として平成24年7月の九州北部豪雨に伴う土砂災害の資料も展示しております。
 ▼「平成24年7月 九州北部豪雨 土砂災害の記録」
 

その他行政資料
 また、展示室以外にも、閲覧室では、行政資料の閲覧が可能です。
 
 ▼左:「平成29年7月九州北部豪雨災害 災害状況と復旧事業計画概要」(行政資料:2-4-0009792)
 ▼右:「土砂災害から身を守るために」(行政資料:2-4-0001183)
  


さいごに
 例年、本県では大雨による災害が頻発しております。今回、公文書から水害の記録をご紹介してきましたが、梅雨に入り、水害に備える時期となりました。
 福岡県のホームページでは、 防災情報をご覧いただけます。

 なお、当館の展示室では、今回ご紹介した資料のほかに、昭和28年の水害の記録写真等もご覧いただけます。ぜひ、お気軽にご来館ください。


福岡共同公文書館
所在地 〒818-0041 福岡県筑紫野市上古賀1-3-1 アクセスマップはこちら 電話 092-919-6166 FAX 092-919-6168 E-Mail kobunsyokan@pref.fukuoka.lg.jp
COPYRIGHT © 2022 福岡共同公文書館. ALL RIGHTS RESERVED.
このサイト内に掲載されている画像、文章等を許可なく複製・転載することを禁止します。