「公文書でめぐる ふるさと福岡」、今回は大川(おおかわ)市の紹介です。
◆◆ 大川市の位置 ◆◆
◆◆ 大川市の地勢 ◆◆
大川市は福岡県の南西部に位置し、北は久留米(くるめ)市、東は大木(おおき)町、南は柳川(やながわ)市、そして西側は筑後川(ちくごがわ)を隔てて佐賀県と隣接しています。
市域の大部分は筑後川下流左岸の三角州地帯で、そこに用水路、排水路、貯水池など様々な機能を有するクリーク(堀)が網の目のように広がっているのが特徴です。
下記の絵図は、現在の大川市一木(ひとつき)の明治17(1884)年当時のクリーク(堀)の様子を示したものです。
●『川口村官有地一件綴(明治9~17年)』明治17年度(1-2-0002795)
現在大川市役所には「クリーク課」という部署が存在し、用排水路の整備・管理、土地改良事業などの業務を行っています。
◆◆ 大川市の沿革 ◆◆
昭和29(1954)年4月1日、大川町・大野島(おおのじま)村・川口(かわぐち)村・木室(きむろ)村・田口(たぐち)村・三又(みつまた)村の6町村が合併して大川市が誕生しました。
以下は合併以前の各々の町村の公文書です。
① ➁ ③
④ ⑤ ⑥
①『大正4~5年 大川町議会会議録』大正5年度(1-2-0002635)
➁『村会決議録(明治29年以降)』明治31年度(1-2-0002710)
③『明治44年 川口村議会議事録』明治44年度(1-2-0002804)
④『大正14年 木室村議会議事録』大正14年度(1-2-0002614)
⑤『明治34年~明治37年 田口村議会議事録』明治37年度(1-2-0002583)
⑥『遺族年金弔慰金請求書受付発送簿(三又村)』昭和28年度(1-2-0002923)
平成の大合併の時期には大木町との合併協議会も設けられましたが、実現には至りませんでした。
●『新市建設計画ダイジェスト版 5部』平成16年度(1-2-0002218)
◆◆ 大川市あれこれ ◆◆
💚家具・木工
大川と言えばやはり何と言っても家具・木工産業が有名です。毎年「大川木工まつり」が開催され、令和5年にはに72回目を迎えました。
●『市報おおかわ 2023年10月』令和5年度(2-4-0021389)
こちらは昭和30年代当時の大川木工指導所(現在の福岡県工業技術センターインテリア研究所)の家具設計図集です。
●『設計図集』昭和36年度(1-1-0004659) レトロな雰囲気が魅力的です。
💚筑後川昇開橋(ちくごがわしょうかいきょう)
国の重要文化財に指定されている「昇開橋」は、もともとは国鉄佐賀線の鉄道橋梁「筑後川橋梁(ちくごがわきょうりょう)」として建設されたものでした。
●『大川市市勢要覧2020』令和元年度(2-4-0015029)
国鉄佐賀線関連の文書、柳河(柳川)・大川間の工事に関する事績です。
●『佐賀線鉄道関係書類』昭和6年度(1-2-0002829)
平成21(2009)年には文化庁指導のもと、保存修理工事が行われました。
●『筑後川昇開橋保存修理委員会事務局会議』平成21年度(1-2-0043767)
💚古賀政男(こが まさお)
一般的に考えて、芸術・芸能に関することはなかなか公文書として残りにくいものですが、大川が生んだ昭和期を代表する作曲家古賀政男氏に関するものが残されています。古賀氏による時計塔の寄贈を紹介する『市報おおかわ』です。
●『市報おおかわ 1977年3月』昭和51年度(2-4-0008799)
💚甘味 vs 辛味
美しく愛らしい見た目と、甘味と酸味の絶妙なバランスが人気のイチゴ「あまおう」。大川市はその「あまおう」の主要な生産地のひとつです。また、その正反対のどっ辛調味料の開発にも挑戦し、「大川ペッパー」の創出に成功しています。
① ➁
①『市報おおかわ 2016年1月』平成27年度(2-4-0000015)
➁『市報おおかわ 2021年10月』令和3年度(2-4-0000015)
次回の「公文書でめぐる ふるさと福岡」もお楽しみに!