先週末は、台風19号の影響で、福岡でも強い風が吹きました。
遠く離れた福岡でも、これほどの影響を受けるのだから、
台風に近い場所はどれほどか…と思ってはいたのですが、
次第に明らかになった被害の大きさに、愕然としました。
本当に自然災害は恐ろしいです。
被災地の皆様には、心からお見舞いを申し上げますとともに、
一日も早い復興をお祈りいたします。
また、なにか協力できることを探して実践していきたいと思っています。
当館では、9月末に企画展「学校給食ヒストリー」が終了しました。
企画展にご協力くださったみなさま、ご来場くださったみなさま、
本当にありがとうございました。
現在、当館展示室では、常設展「公文書に見る福岡のあゆみ」を、
エントランスでは、パネル展「昭和の主基斎田~福岡県の記録から~」を行っています。
このパネル展は、平成27年度の冬に行った同タイトルの企画展のリバイバル展示です。
なぜ、いまさら3年半も前のパネルを展示するのか…といいますと、
11月に大嘗祭(だいじょうさい)が行われるからです!
大嘗祭は、新天皇が即位後初めて行う新嘗祭(にいなめさい)のことです。
近代以降では、明治、大正、昭和、平成、そして令和と5度目の大嘗祭になります。
この大嘗祭にコメを作って献上するのが、
「悠紀(ゆき)」「主基(すき)」という二つの地域であり、
その地域は、亀卜(きぼく)という亀の甲羅を使った占いで選ばれます(斎田点定の儀)。
令和の大嘗祭では、悠紀が栃木県、主基が京都府に決定し、
この二つの地域の田(斎田)で作られたコメは、先日大嘗宮に供納されました(新穀供納)。
今をさること91年前、大正天皇崩御の後1年間の服喪を終え、
昭和天皇の即位の礼と大嘗祭が行われたのが、昭和3年(1928)でした。
その大嘗祭の主基地方に選ばれたのが福岡県です。
この時の資料(公文書、写真)が、福岡共同公文書館に多数移管されており、
主基斎田の詳細を知ることができます。
平成27年度の企画展「昭和の主基斎田~福岡県の記録から~」では、
公文書、写真、絵葉書、お田植衣裳など、関連資料の展示を行い、
昭和3年の福岡県を大いににぎわせた、主基斎田という一大事業についてご紹介しました。
この企画展を行ったときは、まさか次の大嘗祭がこんなに早く行われるとは思ってもいなかったのですが、
せっかくよい機会なので、過去の企画展のリバイバル展示を行うことにしました。
展示パネルは、斎田での農作業、お田植祭、抜穂式(ぬきほしき)などの祭祀、
京都の御所に供納する様子などを記録した写真が中心です。
当時の福岡県は、この一大事業の顛末を文書だけでなく、膨大な記録写真としても残しています。
大変画質の良い写真で、91年前の雰囲気を今に伝えてくれています。
令和の大嘗祭のニュースを見て、大嘗祭や主基斎田にご興味を持たれた方は、
ぜひこの機会に、福岡共同公文書館に来ていただいて、
昭和の大嘗祭と福岡県との関わりについても知っていただきたいな、と思います。
パネルだけでなく、もっと関連資料を見てみたい、という場合は、
利用申請をすればどなたでも資料の閲覧ができますので、どうぞご利用ください。
※平成27年度第2回企画展「昭和の主基斎田~福岡県の記録から~」の
概要や展示資料につきましては、
・当館ホームページ>展示・講座案内>過去のイベント情報>企画展>昭和の主基斎田
・「福岡共同公文書館だより」第9号(当館ホームページ>刊行物等>福岡共同公文書館だより)
に掲載しておりますので、あわせてご覧ください。