福岡公文書館ブログ

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  • カテゴリー: 行政資料

    2021年9月8日

    行政資料の活用法~「官報」~

    タイトル:「行政資料の活用法 ~「官報」~」

     

    当館では、歴史資料として重要な価値を有する特定歴史公文書のほかに、国や都道府県、市町村の地方公共団体などが発行した出版物、また各機関の資料に基づき作成された民間の出版物等の「行政刊行物(当館では、これらを「行政資料」と言っています)も、収集しています。

    この「行政資料」の中で、今回は、「官報」を紹介します。

     

    官報とは、法律や政令、条約等の公告を国民に広く周知するための機関紙です。公的伝達手段として重要な役割を果たしており、内閣府が休日を除き毎日発行しています。

    令和2年度に福岡県議会図書室から、1963(昭和38)年1月~2010(平成22)年3月までの 1037冊(1冊に約1カ月分が収録)が移管され、当館の行政資料として登録されました。

    その中から、福岡県に関係のあるものや、私たちの生活に関わっている記事を何冊かご紹介します。

     

    ・当館に移管された中でいちばん古いのは、1963(昭和38)年1月の官報です。

    1963(昭和38)年2月に「北九州市」が誕生することを記念し、(門司・小倉・若松・八幡・戸畑の5市を合併し1963(昭和38)年2月10日に発足)1月の官報では、郵政省の「北九州市発足記念の特殊通信目附印と十円郵便切手発行する件」が告示されたという記載があります。期間は「昭和38年2月10日~2月16日」と限定され、写真のような日附印(消印)が使用されました。

     

    ・1988(昭和63)年12月の官報で、法律108号により「消費税法」が公布されています。

    消費税は、少子高齢化の進展に伴う社会保障の安定財源確保等のため、長年議論され、1990(平成元)年4月、日本で初めて導入されました。当初3%であった税率が5%、8%と引き上げられ2019(令和元)年10月より10%となっています。2020(令和2)年度、国の一般会計の税収は60兆8216億円で、そのうち消費税が20兆9714億円で税収全体の34.5%を占め、基幹税の一つとなっています。

     

    ・また翌年の1990(昭和64)年1月7日に、昭和天皇がご逝去され、皇位の継承が行われることに伴い、元号が改められることになりました。

    政令1号により「元号を改める政令」が公布され、その元号は「平成」と改められ、内閣告示第6号により、その読み方は「へいせい」であると告示され、翌日から「平成」が始まりました。

     

    このように官報には、私たちの生活に密接に関わる、政府や各府省からの公布文や、地方公共団体からの告知などが掲載されており、官報をひも解くことで、日本や、お住まいの地域の移り変わりを知ることができます。

    「官報」は、保存庫にあるので利用の際は当館職員にお声掛けください。1階の閲覧室に行政資料を配架しておりこれらについては、自由に閲覧していただくことができます。また、「官報」同様、閲覧室にない行政資料については、「行政資料閲覧申込書」に記入していただくことで、閲覧可能となっておりますので、ぜひご利用ください。

     

    2021年3月3日

    出張展示 in みやま市 (3/2~14) のご案内

    みやま市立図書館「市民ギャラリーKusu-Kusu(くすくす)」みやま市立図書館 みやま市立図書館 (library.miyama.fukuoka.jp) で 『 おいでよ!福岡共同公文書館へ 』 と題した出張展示を実施しています。
    「なかなか筑紫野市まで行けないよ~」という方々にも「福岡共同公文書館」のことを知っていただこうと、企画しました。

    福岡共同公文書館は福岡県と県内市町村が共同で設置・運営している公文書館です。平成24年11月に当館が開館して「福岡県内市町村の公文書館設置率は100%」になったのです。
    ここで働く職員は15名。県の職員と市町村から派遣された職員がそれぞれ3名ずつと、会計年度任用職員が9名という構成になっています。
    市町村への出張展示『おいでよ!福岡共同公文書館へ』は初の試みです。きっかけとなったのは、当館職員にみやま市から派遣の職員さんがいたからです!

    ここからは当館キャラクターのしょこらによるインタビュー形式でお伝えします。

     まずは自己紹介をお願いします

    みやま市から派遣されている高木と申します。生まれ育ったのは自然豊かなみやま市高田町です。福岡共同公文書館の存在は知っていましたが、一般の方も利用できる施設であることは知りませんでした。派遣が決定したときは、「みやま市の看板を背負って仕事する!頑張ろう!」という気持ちでした。当館では、「総務企画班」で、施設の利用促進、展示や講座に関する業務や広報誌等の作成を手掛けました。今年度末で派遣が終わり、4月からはみやま市役所の職員に戻る予定です。「出張展示inみやま市」が実現したので嬉しいです。たくさんの皆様のご来場をお待ちしています。

     みやま市ってどんなところですか?

    みやま市は、平成19年1月29日に瀬高町(せたかまち)・山川町(やまかわまち)・高田町(たかたまち)が合併して誕生しました。福岡県の南部に位置し、一部は熊本県と接しています。東部には山々が連なり、中心部は広大な筑後(ちくご)平野、西部には有明(ありあけ)海の干拓によって開かた低地が広がっています。

    市内を流れる矢部川(やべがわ)を中心とした河川がもたらす肥沃な土壌と有明海の恵みによって農業・海苔養殖業のまちとして発展してきました。

    JR鹿児島本線と西鉄大牟田線が乗り入れ、九州新幹線「筑後船小屋駅」にもほど近く、また、九州自動車道の「みやま柳川IC」があるなど、交通面は充実しています。ICを降りてみやま市内に向かうと、「みちの駅“みやま”」があります。四季折々のみやまの特産品がずらりと並び、中でもセルリー(博多セロリ)の大きさには驚かされます。テレビでも話題になった「玉めし」など、フードコートも充実しています。ぜひ、お立ち寄りください。

     おすすめの一冊を教えてください!

    みやま市からの公文書の移管は1,364冊(2021年2月現在)あります。そのほか、行政資料も所蔵しています。私のおススメの一冊はコレ!

    「みやまの人と歩み みやま市史Ⅰ」(2-4-0006384) H26.12発行

    「みやま市史」の人物編として発行されたものです。みやま市出身で全国的に目覚ましい活躍をした人や地元の経済・文化・福祉の向上等に功績のあった方々を、読みやすい文字で、写真等を交えてわかりやすく紹介しています。

     最後にしょこらから~!

    みやま市の次は、大木町図書館・情報センターの「こっぽーっとギャラリー」(3/16~28)に行くよ。

    うちの市町村にも来てほしい~☆という声をお待ちしていま~す。

     

    2020年8月18日

    公文書でめぐる ふるさと福岡

     福岡共同公文書館は「福岡県立公文書館」と「福岡県市町村公文書館」という二つの施設の総称で、福岡県と県内全市町村(北九州市と福岡市を除く)が共同で設置・運営する公文書館です。

     福岡共同公文書館には明治以降に作成または取得された公文書の中で行政事務上必要とされる保存期間を満了した文書が各自治体から移管されており、これらの文書は当館のHPで目録を公開しています。

     

     これからこのブログで、福岡共同公文書館所蔵資料の移管元である福岡県及び県内市町村それぞれの紹介とともに、移管元に関連する所蔵資料の紹介をしていきたいと思います。

     初回は、「福岡県」です。

     福岡は、古代、遠の朝廷(とおのみかど)と呼ばれた大宰府政庁や、外国使節の迎賓館である鴻臚館がおかれ、中国大陸や朝鮮半島と我が国との交流の窓口でした。いち早く大陸文化に触れ、日本のどの地方よりも早く米作りを始めました。また、大陸から新しい文化や学問、外国の品々を受入れてきました。

     江戸時代になると、福岡藩・久留米藩・柳河藩・小倉藩などがおかれ、明治になると廃藩置県により藩の地域が県となりました。そしてその後、小倉、福岡、三潴の3県の時期を経て1876年(明治9年)に現在の福岡県ができました。

     また、県内の製鉄や石炭産業が日本の近代化を支え、その後、商工業や農林水産業が発展し、空港・道路・鉄道等の交通も整備されていきました。

     現在は、アジアをはじめ、世界との交流を促進する交通基盤や文化機能は着実に向上しています。九州の経済や文化、行政の中枢機能の集積が進む中、アジア諸国・世界各地との交流をさらに拡大し、九州、西日本、アジアにおける広域交流都市圏としての一大拠点になっています。

     明治以降の福岡県のあゆみについては、当館展示室の「公文書にみる福岡140年のあゆみ~福岡県の誕生と市町村合併~」(常設展)をご覧ください。

     

     福岡県には、北九州市と福岡市の2つの政令指定都市を含めて60市町村(29市29町2村)があります。これら60市町村は、地理的、歴史的、経済的特性などから、「北九州」「福岡」「筑後」「筑豊」の4地域に分けられています。

    このような、福岡県のすがたや施策・事業などは

     「県政のしおり」(一般向け)

     「わたしたちの福岡県」(小学生向け)

    というパンフレットを県で作成し、紹介しています。

    当館にも過去10年分(それ以前のものも多少あり)を所蔵しています。

         (福岡県行政資料:2-4-0013571)

     

     

     

     

     

     

     

           (福岡県行政資料:2-4-0013570)

     福岡県から移管された公文書は令和2年7月現在で約45,200冊です。また公文書のほか県が作成した行政刊行物も所蔵しています。

     福岡共同公文書館の公文書や行政刊行物は、誰でも閲覧することができます。

     ぜひ、福岡共同公文書館をご利用ください。

                          次回は「直方市」の紹介です。

    2019年5月8日

    令和元年

    改元から1週間過ぎました。

    公文書館も、連休が終わり、いよいよ新元号のもと始動しました。

     

    当館の閲覧室の中央に並べている、福岡県内60市町村の広報紙も

    新しい元号を載せた最新号がやってきました。

    「令和元年5月号」と号数表記の部分に掲載している市町村もあれば、

    左から「広報おおむた」「広報ちくじょう」「広報おおとう」「広報そえだ」「市報かすが」

    左から「広報あさくら」「八女 広報YAME」「広報かすや」

     

    表紙のテーマや巻頭ページに新元号を掲載している市町村もあり、

    上段左「広報たちあらい」同右「広報豊前」、下段左「広報くらて」同右「広報だざいふ」

     

    はたまた元号なしの西暦のみを表記している市町村もあり、

    それぞれに個性があって面白いです。

     

    今回は、昭和から平成への改元と異なり、1か月前に新元号の発表があったので、

    広報紙への掲載もスムーズにいったのではないでしょうか?

     

    ちなみに、平成改元の時は、

    昭和64年1月7日に昭和天皇が崩御され、皇太子殿下が天皇に即位されました。

    同日、臨時閣議において新元号が「平成」と決定し、

    官房長官から記者発表がありました。あの有名なシーンです。

    そして翌1月8日に改元され、平成が始まったのです。

     

    当時の広報紙(1989年1月号)を見てみると、

    1月8日以前に発行された広報紙の発行年は「昭和64年」、

    それ以降に発行された広報紙の発行年は「平成元年」と表記されています。

    (1989年1月号の「広報かすや」(左)と「広報みわ」(右))

     

     

     

     

     

     

     

    (1月1日発行の「広報かすや」の発行年は「昭和64年」(上)、

    1月10日発行の「広報みわ」の発行年は「平成元年」(下)と表記されている)

     

    当時の県内の広報紙すべてに目を通したわけではありませんが、

    今回確認した広報紙では、「昭和」から「平成」への改元をはっきりと示しているのは、

    発行年の元号部分のみで、改元にまつわる写真や特別な記事は見当たりませんでした。

    昭和天皇の崩御ということもあり、社会全体が自粛ムードだったことにもよると思いますが、

    突然「昭和」が終わり、いきなり「平成」になった、という感じでした。

    今回は、静かに「平成」を見送り、にぎやかに「令和」を迎えた、というところでしょうか。

     

    新緑の美しい季節を迎えました。

    令和元年、公文書館も新たな気持ちで頑張っていきます!

     

    ※今回ご紹介した広報紙はすべて当館閲覧室、展示室にて見ることができます。

     ぜひ、ご来館ください。

     

    2018年10月10日

    那珂川市誕生!

     

    皆さまご存じの通り、10月1日に那珂川町が市制施行し、

    那珂川市が誕生しました。

     

    これで福岡県内の市町村の内訳は、29の市と29の町と2の村となりました。

    と同時に、筑紫郡が無くなりました。

     

    筑紫郡は、明治29年(1896)の郡制施行時に、御笠郡、那珂郡、席田郡の区域をもって発足しました。

    発足当初は、2町20村が属していました。

    大正15年(1926)に郡役所が廃止され、郡は単なる地域区分の名称となりました。

    昭和47年(1972)に筑紫郡に属していた5町のうち、筑紫野町、春日町、大野町が市制施行し、

    昭和58年(1983)に太宰府町が市制施行して、筑紫郡に属する町は那珂川町だけになっていました。

    そして今回、那珂川町が市制施行したため、筑紫郡に属する町が無くなり、筑紫郡が消滅した、

    というわけです。単なる地域区分なので、無くなるからどうということもないのですが、

    市の誕生の陰でそっと姿を消す、というのがちょっぴり切なくもあります。

     

    当館でも、那珂川市の誕生に合わせて、掲示物や見出しの変更をしました。

    エントランスのパネルや…

     

    閲覧室の棚の表示も…
    「那珂川町」から「那珂川市」へ変更しました。

     

    そして、当館にやって来た那珂川市作成の資料第1号は、「広報なかがわ」でした。

     

    「広報なかがわ」10月号の裏には「発行・那珂川市」の表記が!

     

     

    「広報なかがわ」を含む、県内自治体の広報紙は、当館閲覧室に置いています!

     

     

     

    2018年5月31日

    梅雨入り

    新緑の季節は足早に去り、九州北部地方は先日梅雨入りしました。

    平年より8日、梅雨入りの遅かった昨年より23日も早い梅雨入りです。

    5月に梅雨入りするのは、5年ぶりだそうです。

     

    昨年7月、梅雨明け間近の福岡県に大きな災害が起こりました。

    九州北部豪雨です。この災害は、朝倉市、東峰村を中心として、

    各地に大きな爪痕を残しました。

    もうすぐ一年が経とうとしていますが、

    現在も復旧に向けて頑張っている方々がいらっしゃいます。

     

    福岡共同公文書館が開館した平成24年にも、筑後地域を中心とした豪雨災害がありました。

    被災地域では記録誌を作成して、この災害の記録を残しました。

    「災害は忘れたころにやってくる」といいますが、だとすれば、

    あの日あの時の記録を残して、いつまでも忘れないようにしておくことは、

    大切なことではないでしょうか。

     

    梅雨に突入したいま、平成24年豪雨災害記録誌、

    平成29年の災害を記録した広報紙を読み返し、

    防災への意識を新たにしたいと思います。

    平成24年7月に発生した豪雨災害の経緯、被害についての記録誌。
    左から、
    「平成24年7月うきは市の災害記録 九州北部豪雨Document」(H26.3、うきは市)、
    「平成24年7月九州北部豪雨災害記録誌」(H26.3、うきは市)、
    「平成24年九州北部豪雨による7.14災害の記録」(H25.3、柳川市)、
    「7.14笠原 写真記録集」(H25.7 夢かさはら自治運営協議会) 
    *いずれも、当館閲覧室にてご覧いただけます。

    福岡共同公文書館
    所在地 〒818-0041 福岡県筑紫野市上古賀1-3-1 アクセスマップはこちら 電話 092-919-6166 FAX 092-919-6168 E-Mail kobunsyokan@pref.fukuoka.lg.jp
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