福岡公文書館ブログ

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    2024年11月26日

    公文書でめぐるふるさと福岡 ~川崎町~

    今回は川崎町(かわさきまち)の紹介です。
    川崎町の位置

    川崎町の地理

    川崎町は福岡県の中央やや東寄りのところに位置し、南北が約12.6キロメートル、東西が約4.9キロメートル、総面積は約36.1平方キロメートルです。周囲を田川市(たがわし)大任町(おおとうまち)添田町(そえだまち)嘉麻市(かまし)にとり囲まれ、おおよそ南部は山岳地、北部が平野部という地形です。

    町内には添田町を起点とする中元寺川(ちゅうがんじがわ)が流れ、途中で安宅川(あたかがわ)、木城川(きしろがわ)、櫛毛川(くしげがわ)を合流して田川市へと抜け、最終的に遠賀川(おんががわ)に合流しています。

    川崎町の成り立ち

    明治以降、川崎町は以下のように変遷します。

    1887(明治20)年:安真木村(あまぎむら)、川崎村(かわさきむら)が誕生

    1937(昭和12)年:安真木村と川崎村が合併(村名は川崎村)

    1938(昭和13)年:町制施行(8月15日)により、川崎町が誕生

    こちらは合併を可決した際の安真木村議会の記録です。

    『昭和11年~昭和12年村会議事録』昭和12年度 川崎町公文書(1-2-0015047)

    川崎村との関係を『密接不離』であるとし、合併について『最早(もはや)必然』『村百年の大計』とまで言い切り、「待ってました!」と言わんばかりの意気込みがうかがえます。

    そしてこちらは町制への移行を可決した町議会の議決書です。

    『昭和13年町会事績』昭和13年度 川崎町公文書(1-2-0015048)

    『最近ニ於テハ商取引其他ニ於テ川崎町ト記載シ往復セルモノ多ク』とあります。正式にはまだ『川崎村』であるにも関わらず、世間では勝手に『川崎町』と称して商取引が行われ、しかもそれが頻繁であったことが分かります。なんとも大らかな時代です。さしずめ現代なら、「詐称」とか「フライング」とか言われてSNSで一気に叩かれる炎上案件かも知れません。

    次は1968(昭和43)年の30周年記念行事の記録です。

     

    『町制施行30周年事績』昭和43年度 川崎町公文書(1-2-0014809)

    『NHKのど自慢』の収録も行われました。当時の正式タイトルは『NHKのど自慢素人演芸会』で、テレビ放映も始まってはいたようですが、行事表を見る限り川崎町での収録はラジオで放送されたようです。

    そして2023(令和5)年には町制施行85周年をお祝いしています。

    『広報かわさき 2023年度』令和5年度 川崎町行政資料(2-4-0021396)

    川崎町の今昔

    川崎町は炭鉱の町として栄え、明治以降の日本の近代化や第二次世界大戦後の経済復興に貢献してきました。しかし昭和30年代以降、石炭から石油へとエネルギー革命が進むと同時に経済基盤に大きな打撃を受け、財政的に苦しい状況となりました。国の旧産炭地復興支援や過疎化対策の補助金も活用しながらその後は農業と観光を軸に据えた地域活性化を目指しています。

      

    『平成10年度 産炭地域開発就労事業費補助金実績報告書』平成10年度 川崎町公文書(1-2-0044585)

     

     

     

    『福岡県観光推進協議会(観光地づくり川崎町)』平成20年度 福岡県公文書(1-1-0028982)

     

    『福岡県観光推進協議会(観光地づくり)』平成21年度 福岡県公文書(1-1-0031228)

     

    次回の「公文書でめぐる ふるさと福岡」もどうぞお楽しみに。

    2024年3月15日

    公文書でめぐるふるさと福岡 ~大任町~

    今回の「公文書でめぐる ふるさと福岡」は、大任町(おおとうまち)です。

    ◆大任町の地理

    大任町は福岡県の北東部に位置し、田川郡のほぼ中央にあります。町の中央を南北に彦山川(ひこさんがわ)が貫流する低地帯で、周囲は丘陵地域となっています。広さは、東西3.6km、南北7.2km、総面積14.26k㎡です。

    東は赤村(あかむら)、北は香春町(かわらまち)、西は田川市(たがわし)・川崎町(かわさきまち)、南は添田町(そえだまち)と接しています。

    西日本最大級の規模を誇る道の駅「おおとう桜街道」のほか、季節ごとに咲く美しい花が魅力のまちです。

     

    『広報おおとう 2023年度』2023年5月号(2-4-0021391) 花のまち おおとう フォトリポート

     

    ◆大任町の誕生

    明治22(1889)年の町村制施行に伴い、今任原村(いまとうばるむら)と大行事村(だいぎょうじむら)が合併して大任村(おおとうむら)が成立しました。昭和35(1960)年、大任村が町制施行して大任町となりました。

    公文書館が所蔵する最も古い大任村の資料は明治34(1901)年度の大任村の村會議事録で、会議録や明治34年度の予算書などが綴られています。

     

    『明治三十四年度 村會議事録 大任村役場』大任町公文書(1-2-0033523)

     

    ◆石炭産業遺跡群(鉄道関係)

    旧国鉄油須原(ゆすばる)線(仮称)は漆生(うるしお)駅と油須原駅を結び、石炭を苅田(かんだ)港へ輸送する目的で大正年間に計画されました。

    昭和32年に着工、炭鉱閉山に伴い生活路線に変更し、昭和41年漆生駅から豊前川崎(ぶぜんかわさき)駅まで部分開業しました。

    しかしながら採算が見込まれないことなどから、昭和45年に工事中止、昭和60年代に全線廃止となりました。大任町区間では開業に至らないまま、路床等の撤去後、旧添田線跡地と併せて町道等公共用地として利用されています。古河炭鉱跡地、福田(ふくた)トンネル、野原越(のばらごし)トンネル、彦山川橋梁等が石炭産業の遺跡として残っています。

    大任町にはかつて数多くの炭鉱が存在し、町の基幹産業でしたが、その多くは残されておらず、この鉄道遺跡は大任町の経済産業の貴重な遺跡となっています。

    『篠栗線・油須原線鉄道建設促進についての陳情書(昭和36年11月22日)』福岡県公文書(1-1-0006709)

     

    ◆花としじみの里

    「しじみ」が自生する大任町では、しじみを環境保護とまちおこしのシンボルと位置づけています。平成7年には「しじみ育成保護条例」が制定され、彦山川流域でのしじみの保護が行われています。水辺公園では、昭和62年から毎年10月に「しじみ祭り」が開催されています。町のイメージキャラクターは、しじみの大ちゃんです。

    『第4次大任町総合計画』大任町行政資料(2-2-0001334)

     

      

    左『花としじみの里大任町 新庁舎・コミュニティセンター』大任町行政資料(2-2-0001333)

    右『広報おおとう 2023年度』2023年12月号(2-4-0021391) 第37回しじみ祭り

     

    ◆神幸祭

    神幸祭は五穀豊穣や家内安全などを祈願する初夏の祭りです。4月下旬から5月上旬にかけて、各地域ごとに色とりどりのバレンで飾りつけられた山車やみこしが舞い、町中がにぎわいます。『大任町誌』に祭事に関する詳しい記述があります。

     

    左『大任町誌 ふるさと大任 【下巻】』大任町行政資料(2-4-0010154)

    右『広報おおとう 2019年度』2019年6月号(2-4-0011996) 神幸祭

     

    ◆災害の記録

    昭和28年6月、九州地方北部を中心に梅雨前線を原因とする集中豪雨による水害が発生しました。当時の大任村の水害対策本部の日誌や、土木工事に関する事跡が公文書として残されています。

    『昭和廿八年七月 日誌(大任町水害対策本部)』大任町公文書(1-2-0033551)

     

     

    『昭和二十八年災害單独事業の綴 田川郡大任村役場』大任町公文書(1-2-0033526)

     

     

    『昭和二十八年六月 大任中学校災害復旧の綴 大任村役場』大任町公文書(1-2-0033502)

     

    次回の「公文書でめぐる ふるさと福岡」もお楽しみに!

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