福岡公文書館ブログ

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  • カテゴリー: 公文書

    2023年7月26日

    2023年の企画展を開催しています

    7月21日(金)から2023年の企画展「福岡県 市町村の変遷」がはじまりました。

    今回は、「福岡県」が誕生してから、明治・昭和・平成の合併を経て、現在の29市・29町・2村になるまでの県内市町村の変遷を公文書で紹介しています。

     1871(明治4)年7月、廃藩置県の実施により全国諸藩の制度的廃止が布告され、福岡県域では当初、豊津(とよつ)千束(ちづか)中津(なかつ)福岡(ふくおか)秋月(あきづき)久留米(くるめ)柳川(やながわ)三池(みいけ)の8県が成立しました。その後の統廃合の結果、福岡県・小倉(こくら)県・三潴(みづま)県の3県になり、さらに、1876(明治9)年再び府県の大廃合が行われ、現在の「福岡県域」が確定しました。

     1889(明治22)年「市制・町村制」により、明治の大合併が行われました。県内市町村は、1888(明治21)年に2市、273町、1685村だったのが、1889(明治22)年には2市、20町、364村になりました。

     昭和の大合併は、1953(昭和28)年「町村合併促進法」の施行により行われました。1953(昭和28)年10月現在、福岡県内には12市、73町、177村があり、そのほとんどが明治の大合併期以来の状態でした。そこで、福岡県では「町村合併促進協議会」を設置し、当時の250町村を87町村とする計画を立案し、その結果1956(昭和31)年12月末には、19市、68町、33村になりました。

     その後、合併や市制・町制の施行により、1997(平成9)年10月1日の時点で24市、65町、8村になりました。そして、平成の大合併によって、福岡県は、現在29市、29町、2村の60市町村になっています。

     今回の企画展では、各市町村の合併の経緯や市制施行のための書類等を展示しています。

    「福岡県町村合併計画図」(1-2-0004931)

     

                   豊前市誕生までの経緯
    平成の合併に関する文書

     ほんの一部ではありますが、明治から現在までの各市町村の変遷が分かる資料を展示しています。「この駅の名前は昔の町の名前だった」、「この交差点の名前は昔の村の名前だった」という発見があるかもしれません。

     皆様の公文書館へのご来館をお待ちしております。

    2022年11月25日

    福岡共同公文書館は開館10周年です

    当館では、2022年11月19日(土)に開館10周年の記念式典を開催しました。

    主催者挨拶に始まり、筑紫野市長より祝辞をいただきました。

    その後、当館の利用者である「NPO法人 福岡鉄道史料保存会」の方の「歴史公文書活用事例紹介」がありました。「福岡の『連接車(連節車)』誕生80周年というテーマで、福岡県の高度経済成長を支えた連接車(連節車)の軌跡を当館の所蔵資料の紹介を絡めながら発表していただきました。

                     NPO法人  福岡鉄道史料保存会

    続いて「記念講演」として、西南学院大学国際文化学部教授の宮崎克則先生による「シーボルトと『お滝さん』の恋文」と題する講演が行われました。日本地図を持ち出そうとして国外追放となった「シーボルト」のもとに届いた日本人妻「お滝さん」からの恋文を読み解き、当時の出島や長崎の様子をお話しされました。

    お滝さんの恋文

    そして、講演後は希望者にはバックヤードツアーや、特別展「ふくおかあの日あのとき 1972年」の解説会やNPO法人福岡鉄道史料保存会によるロビー展示の解説等が行われました。

    整理室
                              保存庫

    展示室
                         ロビー展

    10年前の開館記念式典の日、式典開始時は雨が降っていましたが、式典終了時には雨が上がっていました。今回も天気予報が二転三転し、天候がどうなるかと思いましたが、式典前に雨が降り出し、式典途中から天候も回復するという同じような空模様になりました。式典および講演会には多くの方に参加いただきありがとございました。

    特別展とロビー展示は開催中です(2023年1月22日(日)まで)。

    皆様のご来館をお待ちしております。

    開館10周年を迎えた福岡共同公文書館をこれからもよろしくお願いいたします。

    2022年9月2日

    歴史公文書の利用について

    最近、当館の資料の閲覧が増えています。

    そこで、これから利用してみようと思っていらっしゃる方へ当館の資料の利用についてのご案内です。

    まずは、当館の所蔵資料検索システムでお探しの資料を特定してください。

      福岡共同公文書館の資料は「歴史公文書」と「行政資料」の2種類です。

    ということで、行政資料と歴史公文書の中で「公開状態」が「公開」・「一部公開」ならば、 「簡易閲覧申込書」を提出 していただくと、すぐに閲覧が可能となります。

        注意!

         ・各申込書・申請書は県文書と市町村文書で様式が異なります

            資料IDが 1-1-00××××× ⇒「県文書」

                  1-2-00××××× ⇒「市町村文書」

    そして、「公開状態」が「要審査」ならば「特定歴史公文書利用請求書」を提出していただきます。

    「特定歴史公文書利用請求書」を公文書館が受理したら

    このように、「歴史公文書」の閲覧できるまでに、少なくても2週間、資料の内容やその時の利用状況によりますが、長いときには半年ほどかかかってしまう場合があります。公開状態が「要審査」の「歴史公文書」の閲覧を希望される際には、閲覧までに時間がかかるということをどうかご承知おきください。  

    2021年11月22日

    県文書の箱詰めに県庁へ

    11月16日(火)に県庁へ移管予定文書の箱詰めに行きました。

    県の文書は年に2回、有期文書(保存期間1年・3年・5年・10年・20年)と長期文書(保存期間永年長期、30年)が搬入されます。

    今回は有期文書1916冊、段ボール329箱分の箱詰めを行いました。

    保存期間を過ぎた文書の中で、担当課及び文書事務担当課が「歴史公文書」と判断した文書で、これらを公文書館へ運び、再度公文書館の職員が「歴史公文書」として保存すべきかどうかの確認をします。

    担当課及び文書事務担当課が「歴史公文書」と判断した文書は1つの部屋に集められます

     文書には1冊ずつしおりをはさみます

    確認しながら箱に詰めていきます  

      

     

     

     

       

      箱に詰めたら準備完了! 

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    そして、11月19日(金)に福岡共同公文書館へ搬入されました。

     

    県文書は市町村文書に比べると、一度に運びこまれる量が多いので、これから年度末にかけて、県文書の整理に追われることになります。

    2021年8月24日

    公文書でめぐる ふるさと福岡 ~宗像市~

    昭和の大合併が進んでいた昭和29年、東郷(とうごう)町、赤間(あかま)町、吉武(よしたけ)村、河東(かとう)村、南郷(なんごう)村の5町村と神興(じんごう)村の一部が合併し、旧宗像(むなかた)町が誕生しました。翌年には、神湊(こうのみなと)町、田島(たしま)村、池野(いけの)村、岬(みさき)村の4町村が合併し、旧玄海(げんかい)町が誕生しました。

    昭和52年に、旧宗像町の人口が5万人を突破し、昭和56年に旧宗像市が誕生しました。

    その後、地方分権や少子高齢化の進展への対応などの社会全体の流れや、それぞれの市町村の特徴と資源を生かしたまちづくりを進めるため、平成15年に旧宗像市と旧玄海町が合併し、新しい宗像市が誕生しました。平成17年には旧大島(おおしま)村と合併し、現在の宗像市となっています。

    北九州市と福岡市の両政令指定都市の中間に位置し、北を除く3方向を山に囲まれ、玄界灘(げんかいなだ)に大島、地島(じのしま)、沖ノ島(おきのしま)、勝島(かつしま)を有しています。また、市の中心部には、水源でもある釣川(つりかわ)が流れ、玄界灘に注いでいます。

    市内を東西に横断するJR鹿児島本線や国道3号および国道495号により福岡市・北九州市への交通アクセスが充実し、住宅団地や大学、大型商業施設などが相次いで進出しました。これに伴い、急激な都市化が進み、生活環境や都市基盤が整備され、教育や文化、子育て支援などが充実し、人口減少時代に突入している現在においても、人口を維持し続けています。

    宗像市には

    世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」があります。

    日本列島と朝鮮半島を結ぶ海域に位置する沖ノ島では、古来、航海安全の祈りが捧げられ、崇拝されてきました。祭祀跡からは、約8万点もの奉献品が出土しています。立ち入りを許さない厳格な禁忌は、500年間にも及ぶ古代祭祀の跡をその後1000年以上、手つかずの状態で守り伝えてきました。

    「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」は、沖ノ島に宿る神への信仰を起源とする宗像三女神をお祭りする宗像大社三宮(沖津宮(おきつぐう)、中津宮(なかつぐう)、辺津宮(へつぐう))、遥か彼方に沖ノ島を望む大島の沖津宮遙拝所(おきつみやようはいじょ)、信仰の伝統を築いた人々が眠る新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群で形成されています。古代東アジアで行われた活発な対外交流の時期に遡る航海安全のための信仰は、日本固有の自然崇拝思想の原初的な形態を残し、その後の祭祀行為や信仰の意味が変容するものの、現代まで一貫して宗像地域の人々によって継承されてきました。このことが世界に例のない物証として顕著な普遍的な価値を持つと評価され、平成29年7月にユネスコ世界文化遺産に登録されました。

    世界遺産登録までには10年以上の年月を要しています。平成の合併により、現在の宗像市となる平成15~17年頃から「沖ノ島を世界遺産に!」という運気が盛り上がってきたようです。平成18年から文化庁への提案書の提出をはじめ、平成21年にユネスコの暫定リストに記載されました。そしてそこからスケジュールを組み、世界遺産の登録へ向けて様々な取り組みを行った結果、平成29年に世界文化遺産に登録されました。

       「世界遺産庁内組織 世界遺産登録推進専門部会」 (1-2-002526)

     

    福岡地区で初めての県立の中高一貫校となる宗像中学校の開校

    2015年に宗像高校の併設校として福岡県立宗像中学校が開校しました。近くに私立の中高一貫校がなく、進学校である宗像高校に併設されることから、宗像中学校の人気は高く、志願倍率は8倍を超える狭き門でした。

    また、「安心して子どもを育てることができるまち宗像」を教育行政の柱とし、この「安心」を生み出す具体策の一つに、平成18年度から「小中一貫教育」の調査研究を進めています。

     「小中一貫教育(推進協議会)」 (1-2-0020204)

     

    宗像市からは317冊の公文書が移管されています。また、約150冊の行政資料を所蔵しています。

    (令和3年8月現在)

    また、当館ではただいまエントランスにおいて、県と県内市町村の役場や町の風景の「いま」と「昔」をふり返る写真展「なつかしの写真展~あの日のふくおか~」を開催しています。ここでは、宗像市の旧庁舎(昭和40年代後半)と現在の庁舎の写真を展示しています。

    しかし、緊急事態宣言の発出に伴い当館は休館中(~令和3年9月12日(日)まで)です。再開した際には、ぜひ見に来てください。

    次回の「公文書でめぐる ふるさと福岡」もお楽しみに!

    2021年7月3日

    公文書の活用方法!

    当館をよくご利用いただく利用者さんの私物です。

    当館の資料を複写したものに、ご自身で表紙をつけて、

    製本されていました。

    現物よりも、また当館で作成している複製物よりも何倍もきれいです!(当館の複製物は簡易すぎて並べてお見せできません⤵)

    ご自身の研究に使われているようですが、当館の資料をきれいにそして丁寧に使用していただいているのを見るとこちらもなんとなくうれしくなります。

    雑然と綴じられて移管されてくる公文書たちですが、必要な方にとっては大切な資料です。作成される行政職員の皆さん、皆さんが業務で作成された文書が、何年あるいは何十年後には誰かにとって貴重な資料になっているかもしれません。文書作成・整理をする際はこのことを頭の片隅においていただければ、と思います。

    また、「公文書をみて何がわかるの?」と思っていらっしゃる方、公文書は皆さんにとって身近なものなんですよ。

    例えば、

    広い敷地に建っている大型商店、ここには前になにがあった?

    自分が通っていた小学校の校舎はいつ建て替わった?

    この道路、前からこんなに広かった?

    など、素朴な疑問が解決できるかもしれません。

    いつでも、気軽に「福岡共同公文書館」をのぞいてみて下さい。

    福岡共同公文書館
    所在地 〒818-0041 福岡県筑紫野市上古賀1-3-1 アクセスマップはこちら 電話 092-919-6166 FAX 092-919-6168 E-Mail kobunsyokan@pref.fukuoka.lg.jp
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