毎日、暑いですね~。少し外に出ただけで、溶けそうです。
こんな時は、ぜひ公文書館へお越しください!
冷房が効いていますし、休憩コーナーもございます。
そして何より。
現在、企画展を開催中でございます!
今年度第一回企画展は、「西南戦争―かけめぐる情報―」です。
今年2018年は、明治維新から数えて150年です。明治10年に起こった西南戦争からは、ちょうど140年の節目。
大河ドラマでも「西郷どん」が放送されていますね。
西南戦争中、電報によってほぼリアルタイムで情報が伝達され、
新聞や錦絵によって戦況が全国に報道されたことをご存知でしょうか?
幕府が倒れ、日本の近代化が始まってから、わずか10年後の話です。
今回の展示のテーマは、西南戦争をめぐる「通信」と「報道」です。
電報がいかに戦況を伝え、新聞と錦絵がいかに戦況を報道したか、ということを、当時の資料を用いてご紹介しています。
展示風景。錦絵の拡大パネルでは、細部までしっかりと見ていただけます。
何と言っても、見どころの一つは、豊富な錦絵資料です。
今回は、北九州市立大学の生住先生、久留米大学の大庭先生のご協力を賜り、
両大学および先生個人が所蔵されている貴重な錦絵を多数展示しております。
なかには、明治7年頃から14年頃にかけてのきわめて短期間しか発行されなかった、珍しい錦絵新聞や、
判じ絵になっていて絵解きするとさらに面白い風刺画などもあり、
どれもこれもじっくりと見ていただきたいものばかりです。
西南戦争もの錦絵ということで、明治10年に発行されたものが多いのですが、
つい最近刷られたか、と見紛うほど色鮮やかで美しい状態です。ぜひ、来館して実際の資料をご覧ください。
展示資料「西郷隆盛戦死ノ図」(大判三枚続錦絵、細木年一画、明治10年10月6日届、個人蔵)
※記事「賊魁(ぞくくわゐ)城山の岩崎谷に於て 官軍の重囲(ぢうい)に陥落(おちいり) 進退窮迫(きうはく)する処 許多(あまた)の官兵進み来り 終に西郷隆盛を生捕(いけどり)にせんと 組打に相なる処 別府新介駈(かけ)来り 隆盛の首(くび)を打落し 城山岩崎(いわさき)の土中に埋(うめ)し由 絵入新聞に見ゑたり」
★この資料の展示は8/19まで
また、もう一つの見どころが電報です。福岡県立図書館所蔵の資料を多数展示しております。
明治10年当時、実際に福岡県と各府県や政府との間でやりとりされた電報の記録は、
臨場感にあふれ、読めば読むほど興味が尽きません。
電報資料はカタカナ表記なので、くずし字が苦手だわ、という方にも、容易に読んでいただけると思います。
▲明治10年3月7日午後9時25分に久留米支庁から福岡本庁へ送信された、田原坂の戦況を伝える電報資料。
「サクジツ タハラサカ ノリトリタル ヲモムキ ゴホウチセシトコロ ゴゴハチジマデ ゲキセン ダイバ ニカシヨ セメトリタレドモ ノコリイツカシヨノダイバヲ ゾクカタクマモリ・・・」(「福岡県史稿 諸方電報綴 第3号」(福岡県立図書館蔵))
また、エントランスでは、西日本新聞社から借用した福岡の新聞の歴史についてのパネルや、
電報でたどる西南戦争として、電報資料をわかりやすくパネル化した展示も行っておりますので、
こちらもあわせてご覧ください。
多種多様な錦絵の数々
エントランスに展示した西日本新聞社作成のパネル。福岡の新聞黎明期から現在の西日本新聞にいたるまでの流れがよくわかります。
「電報でたどる西南戦争」コーナー。福岡県立図書館所蔵の電報資料のなかから、西南戦争の主要な戦況部分を抜き出しています。電報の簡潔な文章から、時々刻々と動いていく西南戦争の様子がよくわかります。
8月20日(*休館日)に資料の入れ替えを行います。
8月19日(日)までしか見られない錦絵もありますので、ぜひお早めにお越しください!