春日市は東西4キロメートル、南北5.34キロメートル、面積が14.15平方キロメートルと非常にコンパクトで、福岡都市圏のほぼ中央部に位置しています。福岡市の中心部まで約10キロメートルという便利なロケーションで、そのため昭和40年代以降、福岡都市圏の住宅都市としての魅力を発揮してきました。
春日市は一昨年(令和4年)市制施行50周年を迎えました。今回は、前身である「春日町」の誕生から現在までの歴史の中で注目しておきたい文書を少し紹介します。
明治22(1889)年、春日、上白水、下白水、小倉、須玖の5村が合併し、春日市の前身である「春日村」が誕生しました。
その後、昭和28(1953)年に町制施行により「春日町」となります。
『町制施行関係書』昭和27年度(1-2-0006857)
「春日町」としての第1号の告示、町議会招集を告げる内容です。
『告示原本(S25~35年度)』昭和35年度(1-2-0006871)
昭和38(1963)年には、町政施行10周年を記念して「町章」が制定されました。広く町民に案を募り、入選作品をもとにデザインが決定されました。この「町章」は市制施行後も引き継がれ、現在は「市章」となっています。
『昭和38年 町章関係事績綴』昭和38年度(1-2-0006858)
昭和47(1972)年には、市制施行により「春日市」が誕生しました。
『市制施行関係書』昭和46年度(1-2-0006860)
市制施行5周年を記念して、昭和52(1977)年に「市の木」「市の花」が選定されました。それを報告する広報紙『市報かすが』の記事ですが、これは通常の紙で保存されたものではなく、マイクロフィルム撮影された資料をプリントアウトしたものです。
公文書というとどうしても「紙」の文書を想像してしまいますが、こうしたマイクロフィルムという形態で保存されたものも存在します。
『昭和39年~昭和56年 広報誌(マイクロフィルム№2)』昭和56年度(2-2-0001064)
昭和59(1984)年、春日市は全国で初めてとなる『個人情報保護条例』を制定、施行しました。この画期的な条例の実現は、情報公開条例と個人情報保護条例の制定を要望する市民からの請願を契機としたものでした。
この事実は40年近くを過ぎた今もなお、一般財団法人地方自治研究機構のホームページで紹介され、著名な法学者・堀部政男氏の「我が国におけるプライバシー保護策の歴史の中で、画期的なものであると評価できる」という文章が添えられています。 (http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/017_privacyprotection.htm)
『議会請願書』昭和56年度(1-2-0006908)
『昭和57年~平成4年 広報誌(マイクロフィルム№3)』平成4年度(2-2-0001065)
平成13(2001)年、『出前トーク「市長と語る」』がスタートしました。「地方の時代」「協働のまちづくり」というスローガンを眼に見える形にした施策で、22年を経た現在も700回を超えて継続しています。
『市報かすが 平成13年版』平成13年度(2-2-0001045)
そして市制施行50周年を迎えた今、この協働の取組みを未来へつなぐため、これまでの成果と、それを支えた各自治会の着実な活動を紹介する冊子が発行されました。
『未来へつなぐ 春日市の協働のまちづくり―春日市制50周年を記念して―』令和4年度(2-4-0021463)
次回の「公文書でめぐる ふるさと福岡」もお楽しみに!