12月ですね。
いつもの年なら、何かと気ぜわしくなる時期ですが、
今年は暖かいせいか、「師走」に入っても、なんとなく気持ちがのんびりしてしまいます。
さて。
もう、2週間ほどたちますが、
11月23日は「勤労感謝の日」の祝日でした。
3連休だったという方も、多かったのではないでしょうか?
「勤労感謝の日」が制定されたのは、昭和23年のことです。
それまで11月23日は、「新嘗祭(にいなめさい、しんじょうさい)」の休日でした。
「新嘗祭」は天皇がその年の収穫に感謝する宮中祭祀であり、
各地の神社でも神事が行われています。
その新嘗祭のなかでも、
新天皇が、即位の礼の後に初めて行う新嘗祭を「大嘗祭(だいじょうさい)」といいます。
天皇が即位後ただ一度だけ行う儀式なので、明治以降はまだ4度しか行われていません。
今上天皇が即位された1990年に行われた大嘗祭が、直近のものになります。
「大嘗祭」の儀式で使用する新穀を、栽培・収穫し、奉納する役割を担うのが、
「悠紀(ゆき)地方」と「主基(すき)地方」です。
この二つの地方(近代以降は都道府県単位)は、亀卜(きぼく)つまり亀の甲羅を用いた占いで選ばれます。
来年5月1日に、新天皇が即位されますが、その後この亀卜を行う「斎田点定の儀」が行われ、11月に大嘗祭が行われる予定だそうです。
さて、今から90年前の昭和3年。
昭和天皇の即位の礼と大嘗祭が行われました。
この時、亀卜によって福岡県が「主基地方」に選ばれました。
そこで福岡県では、斎田の選定から、米作りなどの主基斎田事業に奔走することになります。
福岡共同公文書館では、平成28年2月~3月に企画展「昭和の主基斎田~福岡県の記録から~」を開催し、福岡県での主基斎田事業をご紹介しました。
この展示については、
当館ホームページ>「展示・講座案内」>「過去のイベント情報」
に詳細を掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
もともとこの展示は、当館にこの主基斎田に関する公文書や写真などの資料が多数移管されており、これらの資料をご紹介する目的で、企画しました。
しかし、展示準備のためにいろいろ調べていくうちに、
「やや、これはなにかしら、運命というものに導かれて、この企画が降りてきたのではないか・・・」
と、思うようなことがわかったのでした。
それは、なにか?
次回に続きます。