福岡公文書館ブログ

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  • 2020年12月9日

    公文書でめぐる ふるさと福岡 ~福津市~

    今年も残り1ヶ月をきってしまいました。

    さて、今回は「公文書でめぐる ふるさと福岡」で福津市を紹介します。

    平成17年1月24日、旧福間(ふくま)町と旧津屋崎(つやざき)町が合併し、「福津市(ふくつし)」が誕生しました。

    福岡県の北部で福岡市と北九州市の近隣に位置し、北東側は宗像(むなかた)市、南東側は宮若(みやわか)市、南側は古賀(こが)市に隣接しており、西側は玄界灘(げんかいなだ)に面しています。

    また、東部を山、西部を海に囲まれ、特に海岸一帯と宮地嶽(みやじだけ)神社周辺の山林は、昭和31年に玄海(げんかい)国定公園に指定され、風光明媚な自然景観を形成しています。

    東西にJR鹿児島本線、国道3号が延び、海岸線と併行して国道495号が走っており、九州自動車道若宮(わかみや)インター、古賀インターも近く、広域的な交通利便性にも富んでいます。このため、福津市は宮地嶽神社や津屋崎・福間海岸などを中心とした観光レクリエーションの場として、また、福岡・北九州両政令市への通勤・通学の利便性を背景とした住宅地域として、さらには、新鮮な食料品の生産供給地域としての広域的な役割をもっています。

     

    「福津市」という名称

    「福津市」という名称には、幸福や多くの人が集まる津(港、場所)という意味が込められています。市の名称を決めるにあたり、全国に公募したところ3,064通の応募があり、合併協議会において協議され、最終選考で残った「福津市」と「北筑前市」で決選投票を実施した結果、過半数の票を獲得した「福津市」に決定しました。

    次に、福津市が行ってきた事業を紹介します。

    国民健康保険制度のルーツ

    福津市は、国民健康保険制度の参考にされた定礼(じょうれい)(常礼)制度が、かつておこなわれていた地域です。1930(昭和5)年ごろ、世界中をおそった不景気により、農村では経済状況も衛生状況も悪化し、都市部に比べ平均寿命も短く、多くの病気が蔓延しました。特に、結核は栄養状態の悪い農村の人々の間で広まり不治の病と言われていました。農村のこのような状況を救うため国(当時の内務省社会局)は全国の医療の状況を調査しました。すると、福岡県の19地区(宗像郡11地区・鞍手(くらて)郡8地区)と熊本県の1地区ですでに「医療互助組合」が運営されていました。

    当時宗像郡では医療互助組合のことを「定礼」または「常礼」と言っていました。この言葉は村人たちが作り出した言葉で、「医者にかかってもかからなくても、その人の収入に応じて、まった額をおするので。日ごろ、お世話になっている医者へのおを欠かしてはいけないということから常礼」と言っていたそうです。定礼(常礼)には、ほとんどの家が加入しており、各家から玄米を集め、それを診療所の医者に差し出せば、1年間無料で治療が受けられる仕組みになっていました。1938(昭和13)年7月に世界でも初めてといわれる国民健康保険制度がスタートしました。この手本となったのが宗像の定礼(常礼)で国民健康保険制度のルーツといわれています。

     

    (「やさしい福間町の歴史」 2-2-0001942)より)

     

     

    「うみがめ課」という課がある

    福津市には、福津市の環境保全活動の象徴として「うみがめ課」という名の「課」があります。この課は他自治体でいう「環境課」「環境整備課」などに当てはまり、ウミガメの保護活動だけではなく、地域のゴミ問題や動物全般の保護など多岐に渡った業務をしています。

    課名の由来は、福津の海岸にアカウミガメが産卵に来ることからきています。福津市は、昔からウミガメが産卵に来ることは知られていました。しかし都市化が進み、ゴミの不法投棄や、浜辺に車で乗り付けて夜遅くまで遊ぶ人が増えるなど、ウミガメにとって環境は悪くなるばかりでした。そこで、平成9年に地元住民の方々が自発的にウミガメを守る会を作り、保護活動を始められました。その後、当時の津屋崎町役場にウミガメの保護活動について相談がなされ、町長の「官民一体でウミガメが来てくれるような環境保全をしていかないか」という呼びかけのもと、平成14年に「環境整備課」から「うみがめ課」と課名の変更を行い、住民と行政が一体となり、ウミガメ保護に取り組んでいくことになりました。

    そしてこの活動は、平成17年の合併後も福津市の環境保全活動の象徴となり、課名もそのまま継続されています。また、うみがめ保護条例なども策定され、「うみがめ」現在でも福津市の環境保護の象徴のような特別な生き物となっています。

    「ウミガメ保護条例関係資料」 1-2-0034598)

     

    また、「広報ふくつ」(お知らせ版 2020年11月15日号)に、「遠くて近い ウミガメのこと」(「環境掲示板」)として、ウミガメの孵化(ふか)に関する記事が掲載されています。

    (「広報ふくつ」 2-4-0015042)

    *福津市のHPでも見ることができます fukutsu20201115_page16.pdf

    福津市から移管された公文書は令和2年12月現在で約1500冊です。また公文書のほか福津市が作成した行政刊行物も所蔵しています。

    次回は大木町です。

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