福岡共同公文書館は「福岡県立公文書館」と「福岡県市町村公文書館」という二つの施設の総称で、福岡県と県内全市町村(北九州市と福岡市を除く)が共同で設置・運営する公文書館です。
福岡共同公文書館には明治以降に作成または取得された公文書の中で行政事務上必要とされる保存期間を満了した文書が各自治体から移管されており、これらの文書は当館のHPで目録を公開しています。
これからこのブログで、福岡共同公文書館所蔵資料の移管元である福岡県及び県内市町村それぞれの紹介とともに、移管元に関連する所蔵資料の紹介をしていきたいと思います。
初回は、「福岡県」です。
福岡は、古代、遠の朝廷(とおのみかど)と呼ばれた大宰府政庁や、外国使節の迎賓館である鴻臚館がおかれ、中国大陸や朝鮮半島と我が国との交流の窓口でした。いち早く大陸文化に触れ、日本のどの地方よりも早く米作りを始めました。また、大陸から新しい文化や学問、外国の品々を受入れてきました。
江戸時代になると、福岡藩・久留米藩・柳河藩・小倉藩などがおかれ、明治になると廃藩置県により藩の地域が県となりました。そしてその後、小倉、福岡、三潴の3県の時期を経て1876年(明治9年)に現在の福岡県ができました。
また、県内の製鉄や石炭産業が日本の近代化を支え、その後、商工業や農林水産業が発展し、空港・道路・鉄道等の交通も整備されていきました。
現在は、アジアをはじめ、世界との交流を促進する交通基盤や文化機能は着実に向上しています。九州の経済や文化、行政の中枢機能の集積が進む中、アジア諸国・世界各地との交流をさらに拡大し、九州、西日本、アジアにおける広域交流都市圏としての一大拠点になっています。
明治以降の福岡県のあゆみについては、当館展示室の「公文書にみる福岡140年のあゆみ~福岡県の誕生と市町村合併~」(常設展)をご覧ください。
福岡県には、北九州市と福岡市の2つの政令指定都市を含めて60市町村(29市29町2村)があります。これら60市町村は、地理的、歴史的、経済的特性などから、「北九州」「福岡」「筑後」「筑豊」の4地域に分けられています。
このような、福岡県のすがたや施策・事業などは
「県政のしおり」(一般向け)
「わたしたちの福岡県」(小学生向け)
というパンフレットを県で作成し、紹介しています。
当館にも過去10年分(それ以前のものも多少あり)を所蔵しています。
(福岡県行政資料:2-4-0013571)
(福岡県行政資料:2-4-0013570)
福岡県から移管された公文書は令和2年7月現在で約45,200冊です。また公文書のほか県が作成した行政刊行物も所蔵しています。
福岡共同公文書館の公文書や行政刊行物は、誰でも閲覧することができます。
ぜひ、福岡共同公文書館をご利用ください。
次回は「直方市」の紹介です。